ブラジル:デング熱&黄熱の流行

木曜日, 3月 18, 2010
By Minmin

1.デング熱の流行
  在ブラジル日本国大使館からの情報によると、ブラジル保健省は、2010
 年1月以降第7週までのブラジル国内全体のデング熱の感染者数が155,771人
 (うち死亡者24人)確認されている旨公表しています。ブラジル国内全体
 の感染状況は昨年同時期と比べて77.7%増加しています。また、2009年以
 降、デングウイルス1型の流行が確認されており、今後、免疫を持たない
 小児を中心に大流行する可能性があります。
  2010年1月から第7週までのブラジル保健省発表の地域別感染者数及び感
 染者が多く確認されている主な州は以下の通りです。

    中・東部           77,805人
    南東部            38,971人
    北部             29,207人
    北東部             6,765人
    南部              3,023人

    ゴイアス州          34,886人
    ミナス・ジェライス州     27,738人
    マット・グロッソ・ド・スル州 25,344人
    ロドニア州           17,480人
    マット・グロッソ州      15,362人

  ブラジルに渡航・滞在を予定されている方は、下記2.(4)を参考に
 予防に努めてください。

2.デング熱について
(1)感染源
   デング熱はデングウイルス(フラビウイルス属で1~4型まである)を
  持つ蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることで感染
  します。感染は必ず蚊が媒介し、人から人への直接感染はありません。
  一度かかると免疫ができますが、異なった型のデングウイルスに感染し
  た場合は再発症します。デング熱を媒介する蚊の活動はマラリアを媒介
  するハマダラカと異なり、夜明け少し前から日暮れまでの間(特に朝と
  夕方)です。

(2)症状
   3~15日(通常5~6日)の潜伏期を経て、突然の発熱で始まります。
  38~40度程度の熱が5~7日間続き、激しい頭痛、眼窩後部痛、関節痛、
  筋肉痛、発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、
  かゆみや痛みはありません。また、発熱期の後期や解熱後に軽い皮下出
  血が足や脇の下、手のひらなどに現れます。通常、症状が現れてから自
  然軽快するまでの期間は7日間前後です。

(3)治療方法
   デング熱には特効薬がなく、一般に対症療法が行われます(デング熱
  が疑われた場合には、鎮痛解熱剤としてアスピリン等の使用は避け、ア
  セトアミノフェンを使用することをお勧めします。)。特別な治療を行
  わなくても重症に至らない場合が多く、死亡率は1パーセント以下であ
  ると言われています。ただし、時折デング出血熱という重篤な病気に至
  ることがあります。デング出血熱は、口や鼻等の粘膜からの出血を伴い、
  死亡率の低いデング熱と異なり、通常でも10パーセント前後、適切な手
  当がなされない場合には、40~50パーセントが死亡すると言われていま
  す。出血熱は発熱して 2~7日してから発症することが多いようですが、
  デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測がで
  きません(大人よりも小児に多発する傾向があります。)。

(4)予防方法
   デング熱には予防接種も予防薬もなく、蚊に刺されないようにするこ
  とが唯一の予防方法です。デング熱発生地域に旅行を予定されている方
  は、次の点に十分注意の上、感染の予防に努めてください。
  ●デング熱を媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等は古タイヤの
   溝などのわずかな水たまりで繁殖するため都市部でも多くみられるこ
   とを念頭に置き、外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用に
   より肌の露出を少なくし、肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除け
   スプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
  ●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)
   等を効果的に使用する。
  ●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
  ●突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、デン
   グ熱を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。

3.黄熱の流行
  米国疾病管理予防センターによると、2008年12月から2009年4月までに、
 リオ・グランデ・ド・スル州において20人の感染(うち9人死亡)、2009年
 2月から4月まで、サンパウロ州において28人の感染(うち11人死亡)が確
 認されました。その他、ブラジル保健省は、2009年5月から2009年9月まで
 に、マット・グロッソ州において2人(うち1人死亡)及びマット・グロッ
 ソ・ド・スル州において1人の感染が確認されたことも発表しています。
  ブラジル保健省は、サンパウロ州における発生状況を受け、サンパウロ
 州の一部地域を黄熱リスクのある地域に追加しました。
  2010年3月10日現在、ブラジル政府は渡航者に対し黄熱予防接種証明
 (イエローカード)の携行を義務付けておりませんが、黄熱のリスクのあ
 る以下の州に渡航・滞在される方に黄熱の予防接種を勧めています。
 ( http://wwwnc.cdc.gov/travel/content/updated-yfmap-brazil.aspx )。

  以下の州全域
   アクレ州、アマパ州、アマゾナス州、連邦直轄区(首都ブラジリアを
   含む)、ゴイアス州、マラニョン州、マット・グロッソ州、
   マット・グロッソ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州、パラー州、
   ロンドニア州、ロライマ州、トカンチンス州
  以下の州の指定地域
   バイア州、パラナ州、ピアウイ州、リオ・グランデ・ド・スル州、
   サンタカタリーナ州、サンパウロ州
  また、イグアスの滝を訪れる方にもワクチン接種が推奨されています。

  その他、ブラジルはWHOが定める黄熱リスク国であることから、周辺国
 等では、ブラジルを経由して入国される方に対し、黄熱予防接種証明の提
 示を求めることもありますので、ご注意ください。

  ブラジルへ渡航・滞在される方(特に、黄熱のリスクのある一部地域に
 渡航・滞在される方)は、念のため黄熱予防接種をお勧めします。

4.黄熱について
  黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、渡航に際して予防
 接種の国際証明書が要求される唯一の感染症です(渡航先国によっては要
 求されない場合もあります。)。感染経路には都市型と森林型とがあり、
 都市型はウイルスを持った蚊(ネッタイシマカ)を媒介して人に感染しま
 す。森林型は通常、人以外の脊椎動物(主にサル)に感染しますが、森林
 の中で活動する人もまれに感染することもあります。
  潜伏期間は3~6日で、発症すると軽症から重症まで様々な症状(発熱、
 頭痛、嘔吐等)を起こします。
  これといった治療方法はなく、対症療法が主となります。予防方法は、
 予防接種を受けること、予防接種を受けていない場合は蚊に刺されないよ
 うにすることです。ただし、森林や森林に隣接した地域では虫除けスプレ
 ーだけでは十分な効果は期待できません。

5.黄熱予防接種について
  黄熱ワクチンは、日本国内においては検疫所等で接種することができま
 す。料金や受付時間など詳細は最寄りの検疫所にお尋ねください。(各検
 疫所連絡先は、検疫所ホームページ
 ( http://www.forth.go.jp/tourist/vaccine.html )に掲載されていま
 す。)
  黄熱ワクチンは1回接種で、接種後10日目から有効となるため、入国の
 10日以上前に接種することが必要です。1度受ければ10年間有効です。
  また、生ワクチンなので接種後1か月は他のワクチンを接種することは
 できません。

(問い合わせ先)
 ○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
  ○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
              http://www.anzen.mofa.go.jp/i/ (携帯版)
 ○在ブラジル日本国大使館:
          http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/index.html

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